鏡を見て「最近シミが増えた気がする」と感じたとき、それが肝斑なのか、いわゆるシミなのかを気にされる方は少なくありません。「肝斑にはレーザーがよくないと聞いた」「自分のシミはどちらなのか分からない」という声もよく耳にします。
この記事では、シミと肝斑の違いを、見た目の特徴、できやすい場所、できる原因の面から整理し、セルフチェックの目安と、それぞれに合った対処法をご紹介します。ここでご紹介する見分け方は、あくまで目安です。実際にどのタイプかは、肌の状態を診察したうえで医師が判断します。
CONTENTS
- 結論:肝斑はシミの一種。ただし対処法が大きく異なる
- 「シミ」にはいくつかの種類がある
- シミ(老人性色素斑)と肝斑の違いを比較
- 肝斑の見分け方:セルフチェックの目安
- シミと肝斑、それぞれに合った対処法
- どちらにも共通する、毎日のケアのポイント
- 早めに医療機関で相談したほうがよいシミ
- 当院での診察の進め方
- まとめ
- 自由診療に関する説明
結論:肝斑はシミの一種。ただし対処法が大きく異なる
この記事の結論
先に結論をお伝えします。肝斑は、広い意味での「シミ」の一種です。ただし、一般に「シミ」と呼ばれることの多い老人性色素斑とは、できる仕組みも、適した対処法も異なります。
見た目の大きな違いは、肝斑は頬骨のあたりに左右ほぼ対称に、輪郭がぼんやりと広がるのに対し、老人性色素斑は輪郭のはっきりした丸いシミが、左右バラバラに出ることです。
対処法で特に大切なのは、肝斑は強い刺激で濃くなることがあるという点です。老人性色素斑に使われることの多い強い光やレーザーの照射が、肝斑には向かない場合があります。また、実際には両方が同じ頬に混在していることも多いため、治療を始める前に、医師の診察でシミのタイプを確認することが大切です。
「シミ」にはいくつかの種類がある
「シミ」は、肌にメラニンがたまって茶色く見える状態の総称です。ひとくちにシミといっても、いくつかの種類があります。代表的なものを整理すると、次のようになります。
| 種類 | 見た目・出やすい場所 | 主な要因 |
|---|---|---|
| 老人性色素斑 | 輪郭がはっきりした、丸〜楕円形の茶色いシミ。頬やこめかみ、手の甲など、紫外線を浴びやすい場所に多い | 長年の紫外線の蓄積が主な要因とされています |
| 肝斑 | 頬骨のあたりに左右ほぼ対称に、もやっと広がる淡い茶色のシミ。額や口のまわりに出ることもある | 女性ホルモンのバランス、紫外線、摩擦などの刺激が関わると考えられています |
| そばかす(雀卵斑) | 鼻から頬にかけて、細かい点状に散らばるシミ | 体質(遺伝的な要因)が大きいとされ、紫外線で濃くなることがあります |
| 炎症後色素沈着 | ニキビや傷、かぶれ、虫刺されなどのあとに残る茶色っぽい色み | 肌の炎症をきっかけにメラニンが増えることで起こります |
このほかにも、盛り上がりのある脂漏性角化症や、頬骨のあたりに青みがかった灰色の点が出るADM(後天性真皮メラノサイトーシス)など、シミのように見えるものはいくつかあります。この記事では、特に見分けに迷いやすい「老人性色素斑」と「肝斑」を中心にご説明します。
シミ(老人性色素斑)と肝斑の違いを比較

老人性色素斑と肝斑の違いを、項目ごとに比べると次のようになります。あくまで傾向であり、すべての方に当てはまるわけではありません。
| 項目 | 肝斑 | シミ(老人性色素斑) |
|---|---|---|
| 形・輪郭 | 輪郭がぼんやりしていて、もやっと面状に広がる | 丸〜楕円形で、輪郭がはっきりしている |
| 左右の出方 | 左右ほぼ対称に出ることが多い | 左右で数や大きさが異なることが多い |
| できやすい場所 | 頬骨のあたり、額、鼻の下や口のまわり。目のまわりは避けるように出ることが多い | 頬、こめかみ、手の甲など、紫外線を浴びやすい場所 |
| 色 | 薄い茶色〜灰色がかった茶色 | 薄い茶色〜濃い茶色。年数とともに濃くなることがある |
| できやすい年代 | 30〜50代の女性に多いとされる | 30代以降、年齢とともに増えやすい。男性にもみられる |
| 濃さの変化 | 季節やホルモンバランスの変化などで、濃くなったり薄くなったりしやすい | 一度できると、自然に薄くなることは少ないとされる |
| 強い光・レーザーへの反応 | 強い刺激で濃くなることがあり、慎重な対応が必要 | 光治療やレーザー治療が選択肢になりやすい |
肝斑ができる仕組みはすべてが解明されているわけではありませんが、女性ホルモンのバランス、紫外線、そして肌への慢性的な刺激が関わっていると考えられています。妊娠・出産やピルの服用をきっかけに目立ってくる方がいるのは、このためです。また、毎日の洗顔やスキンケアでの「こする」刺激が、肝斑を濃くするきっかけになることもあるとされています。
肝斑の見分け方:セルフチェックの目安
次の項目に当てはまるものが多いほど、肝斑の可能性が考えられます。ご自身のシミを思い浮かべながら確認してみてください。
肝斑セルフチェック
- 頬骨のあたりに、左右ほぼ対称に出ている
- 輪郭がぼんやりしていて、もやっと広がっている
- 色は薄い茶色で、1か所だけが特に濃いということが少ない
- 目のまわりは避けるように出ている
- 30〜50代になってから出てきた、または濃くなってきた
- 妊娠・出産やピルの服用などをきっかけに目立ってきた
- 夏に濃く、冬に薄くなるなど、時期によって濃さが変わる
- 洗顔やスキンケアのときに、顔をこする習慣がある
反対に、「輪郭がはっきりしている」「左右で数や大きさが違う」「年々、少しずつ濃くなってきた」という場合は、老人性色素斑の可能性が考えられます。
セルフチェックだけで判断しないほうがよい理由
セルフチェックはあくまで目安です。実際には、肝斑と老人性色素斑が同じ頬に重なっていることも少なくありません。薄い肝斑は、くすみや日焼けのあとと区別がつきにくいこともあります。また、ADMのように、肝斑と似た場所に出て見分けにくいものもあります。
シミのタイプによって適した対処法が異なるため、自己判断でケアを強めるより、まずは診察でタイプを確認するほうが近道になることが多いとされています。
シミと肝斑、それぞれに合った対処法
シミのタイプが分かったら、それぞれに合った方法を選びます。どの方法を選ぶか、どう組み合わせるかは、肌の状態を拝見したうえで医師がご提案します。
シミ(老人性色素斑)・そばかすの場合
老人性色素斑やそばかすは、メラニンに反応する光やレーザーを用いた治療が選択肢になりやすいシミです。当院では、ノーリス(IPL治療)でお顔全体に光を照射し、シミやそばかす、くすみにアプローチします。ノーリスは、シミなどの色素性疾患の治療について国内で薬事承認を取得した医療機器です。
照射後は、シミの部分が一時的に濃く見えたり、薄いかさぶたのようになったりしたあと、少しずつはがれ落ちていく経過をたどることが多いとされています。1回で終わりにするより、1.5〜2か月に1回程度の間隔で、複数回照射していくのが一般的です。
肝斑の場合
肝斑は、「強い刺激を与えずに、時間をかけて薄くしていく」ことが基本の考え方になります。主な方法は次の通りです。
| 方法 | 考え方 |
|---|---|
| レーザートーニング | 低出力のレーザーを顔全体に均一に照射し、刺激を抑えながらメラニンに少しずつアプローチする方法です。肝斑の治療の選択肢のひとつとされていますが、出力や間隔の調整が欠かせません |
| 内服薬・外用薬 | トラネキサム酸などの内服薬や、美白作用のある外用薬が用いられることがあります。当院で対応できるものについては、診察の際にご案内します |
| スキンケア・紫外線対策 | 摩擦を減らし、日焼け止めを毎日使うことが、どの治療を選ぶ場合でも土台になります |
レーザートーニングは、1〜2週間に1回程度のペースで、複数回続けていくのが一般的です。ただし、照射の刺激で肝斑がかえって濃くなったり、まれに色が抜けて白く見える状態(色素脱失)が起こったりすることも報告されています。そのため、肌の反応を確認しながら、出力や間隔を調整して進めます。
肝斑は、1回の治療で消えるというより、複数回の治療とホームケアを続けながら、少しずつ薄くしていくものと考えておくと、期待と実際の差が小さくなります。
シミと肝斑が混在している場合
肝斑と老人性色素斑が同じ頬に重なっている場合は、先に肝斑を落ち着かせてから、ほかのシミの治療を進めるなど、順番を考えて治療計画を立てることがあります。ノーリスで照射する場合も、肝斑の部分を避ける、出力を抑えるといった調整を行います。肝斑がある方の光治療については、肝斑があると光治療で悪化する?ノーリスを受ける前に知っておきたい注意点でも詳しく解説しています。
| シミのタイプ | 主な選択肢 | 注意したいこと |
|---|---|---|
| シミ(老人性色素斑) | ノーリス(IPL治療)など | 照射後、一時的に濃く見えたり、薄いかさぶたができたりすることがあります |
| そばかす | ノーリス(IPL治療)など | 体質による面が大きく、紫外線で再び濃くなることがあります |
| 肝斑 | レーザートーニング、内服薬・外用薬、スキンケア | 強い刺激で濃くなることがあるため、出力や間隔を調整しながら進めます |
| 肝斑とシミの混在 | 肝斑のケアを優先し、順番を考えて組み合わせる | シミのタイプを見極めたうえで、治療計画を立てることが大切です |
どちらにも共通する、毎日のケアのポイント
シミと肝斑のどちらであっても、毎日のケアが治療の土台になります。整理すると次の通りです。
- 紫外線対策を1年中行います。紫外線は、シミにも肝斑にも関わるとされています。曇りの日や冬も、日焼け止めを毎日使う習慣をつけてください。
- 肌をこすらないようにします。クレンジングや洗顔は泡でやさしく行い、タオルは押さえるようにして水分をとります。マッサージやスクラブで強くこするケアは、肝斑を濃くするきっかけになることがあります。
- 保湿を丁寧に行います。乾燥した肌は刺激を受けやすくなります。化粧水だけで終わらせず、乳液やクリームで水分を閉じ込めてください。
- 自己判断でケアを強めすぎないようにします。早く薄くしたいからと、刺激の強い化粧品を重ねたり、自己流のピーリングを繰り返したりすると、かえって肌が荒れたり、色素沈着を起こしたりすることがあります。
ここで大切な注意があります。ほかの医療機関で処方された内服薬や外用薬を使用中の方は、自己判断で中止しないでください。カウンセリングの際にお薬の名前をお伝えいただければ、治療との組み合わせを医師が判断します。
早めに医療機関で相談したほうがよいシミ
シミのように見えるもののなかには、まれに、皮膚の病気が隠れていることがあります。次のような変化がある場合は、美容治療を検討する前に、皮膚科などの医療機関で診察を受けることをおすすめします。
こんな変化があれば、早めに医療機関へ
- 短い期間で、急に大きくなってきた
- 形がいびつで、輪郭がギザギザしている
- 1つのシミのなかで、色にむらがある(黒・茶・赤などが混じる)
- 盛り上がってきた、硬くなってきた
- 出血する、ただれる、かさぶたを繰り返す
- かゆみや痛みがある
これらは、シミ以外の皮膚の病気を疑うサインとされています。当院は美容皮膚科のため、診察の結果、ほかの医療機関での検査や治療が適していると判断した場合は、受診先をご案内いたします。
当院での診察の進め方
当院では、シミの治療を始める前に、次のような点を確認したうえで治療方針を決めています。
- シミの形、色の濃さ、左右対称かどうか
- シミが出はじめた時期や、濃くなった時期(季節、妊娠・出産、ピルの服用など)
- 普段のスキンケアの方法(こする習慣がないか)
- これまでに受けたシミ治療と、そのときの肌の反応
- 服用中のお薬や、光に反応しやすくなるお薬の有無
「自分のシミは肝斑かもしれない」と思っても、治療を先延ばしにしたり、自己判断で市販のケアを強めたりする必要はありません。まずは診察でシミのタイプを確認するところから始めてください。各施術の費用は料金表に最新の情報を掲載しています。
まとめ
ポイントのおさらい
- 肝斑はシミの一種だが、一般にシミと呼ばれる老人性色素斑とは、できる仕組みも適した対処法も異なる
- 肝斑は頬骨のあたりに左右ほぼ対称に、輪郭がぼんやりと広がる。老人性色素斑は、輪郭のはっきりしたシミが左右バラバラに出る
- 老人性色素斑やそばかすには、ノーリス(IPL治療)などの光治療が選択肢になりやすい
- 肝斑は強い刺激で濃くなることがあるため、レーザートーニングや内服薬・外用薬、スキンケアで時間をかけて薄くしていく
- 両方が混在していることも多く、セルフチェックだけで判断せず、診察でタイプを確認することが大切
シミのタイプや治療の進め方は一人ひとり異なり、実際の方針は診察のうえ医師が判断します。レディアス美容クリニック福岡の公式LINEアカウントでは、美容に役立つ情報を配信しているほか、LINEからのご予約も承っております。ぜひお役立てください。
自由診療に関する説明
本記事で紹介している治療は、公的医療保険が適用されない自由診療です。ご検討にあたっては、以下の内容をご確認ください。
- 自由診療である旨:本治療は保険適用外の自由診療です。費用は全額自己負担となります。
- 治療内容・期間の目安:ノーリス(IPL治療)は、顔に光を照射する施術で、1.5〜2か月に1回程度の間隔で複数回の照射をおすすめしています。レーザートーニングは、低出力のレーザーを顔全体に照射する施術で、1〜2週間に1回程度の間隔で、複数回の継続が必要です。
- 費用:ノーリスIPL(全顔)1回 16,500円/レーザートーニング(全顔)1回 11,000円、5回 49,500円(モデリングパックなし)、5回 55,000円(モデリングパック付)(すべて税込)。最新の料金は料金表をご確認ください。
- 主なリスク・副作用:照射部位の赤み、ヒリつき、ほてり、乾燥、かさぶた、色素沈着、色素脱失が生じることがあります。ノーリスでは、シミの部分が一時的に濃く見えたり、薄いかさぶたのような状態になったりすることがあります。まれに水ぶくれや熱傷を起こす場合があります。肝斑がある肌に強い出力で照射した場合、肝斑が濃くなることがあります。
- 医療機器について:ノーリス(Nordlys)は、シミなどの色素性疾患の治療、赤ら顔(表在性毛細血管拡張)の改善、長期的な減毛について薬事承認を取得した医療機器です(承認番号 30400BZX00032000)。レーザートーニングは、医療機関専用のレーザー機器を用いて行う施術です。
治療にあたっては医師の診察を受け、リスクを十分にご理解のうえご判断ください。ご不明な点はお問い合わせください。
記事監修医師プロフィール
治療を提供する際には、安全を最優先に考え、ひとつひとつの治療法を慎重に検討しています。
お悩みやご要望に真摯に向き合い、総合的な視点から診察と治療を行います。
ー経歴ー
- 2004年:久留米大学医学部医学科 卒業
- 2020年:南多摩クリニック 継承
- 2021年:新千歳クリニック 継承&医療法人真清の会 理事長就任
- 2024年:レディアス美容クリニック恵比寿 継承
- 2025年:レディアス美容クリニック福岡 継承
ー資格ー
- 日本整形外科学会認定専門医
- 日本整形外科学会認定リハビリ医
- 日本整形外科学会認定リウマチ医
- 日本整形外科学会認定スポーツ医
- 日本リハビリテーション学会専門医
- 日本人工関節学会認定医
- 麻酔科標榜医
ー所属ー
#シミ #肝斑 #老人性色素斑 #ノーリス #レーザートーニング #美白 #福岡 #薬院 #美容皮膚科
ノーリス(IPL光治療)について
- 施術内容
- 光治療器「ノーリス(Nordlys)」を用いたIPL(光)治療です。
- 費用(税込)
- 全顔 16,500円
※詳しくは料金表をご覧ください。 - 治療期間・回数の目安
- 1.5〜2か月に1回程度の間隔で、複数回の照射が目安です。効果には個人差があります。
- 主なリスク・副作用
- 赤み、毛穴に沿った赤い点状の反応、5〜10日程度の薄いかさぶた状の変化 など。肝斑がある場合は悪化するおそれがあるため、医師による診断が必要です。
- 使用機器について
- ノーリスは、表在性皮膚良性色素性疾患の治療、表在性毛細血管拡張症状の改善、長期的な減毛について、国内で医薬品医療機器等法の承認を受けた医療機器です(承認番号 30400BZX00032000)。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。効果・経過には個人差があり、施術の可否や内容は医師が診察のうえ判断します。料金はすべて税込表示です。最新の料金は料金表をご確認ください。
レディアス美容クリニック福岡(医療法人社団真清の会) 〒810-0022 福岡県福岡市中央区薬院3-1-20 イーグル8ビル 5F TEL 092-791-5973